鷹の「セブンクラウンズ」だ。ソフトバンクが、個人タイトル「7冠」でレギュラーシーズンを終えた。周東佑京内野手(24)が最終戦で50個の大台に乗せる盗塁を決め、自身初の盗塁王を獲得。チームで野手2部門、投手5部門のタイトルを獲得した。計7冠は17年以来3年ぶり。勢いに乗り、日本一まで駆け上がる。

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周東が走った。3回1死で四球を選ぶと、続く中村晃への2球目に二盗に成功。「きりよく終われた。49と50では全然違う。なんとしても決めたかった。走れば何かが起きると思って、行きました。一生懸命やってきて良かったです」。育成出身では史上初の大台となる、今季50個目の盗塁を決めた。

リーグで50盗塁は16年のオリックス糸井、西武金子侑以来。球団では11年の本多(現内野守備走塁コーチ)以来9年ぶりだ。しかも規定打席に届かなかった選手の50盗塁は、51年の国鉄土屋以来で69年ぶり2人目の快挙になる。自身初の盗塁王も獲得し「(支配下になって)実質2年目で取れるとは思っていなかった。うれしいです」と喜んだ。

野手では柳田が、自身初の最多安打で2年ぶりのタイトル獲得。投手陣も千賀が最優秀防御率、最多勝、最多奪三振で投手3冠に輝いた。石川が最高勝率と、千賀と並ぶ最多勝の2冠。モイネロが最優秀中継ぎで、チームで計7部門を制覇した。前回リーグ優勝から日本一へ駆け上がった17年以来、3年ぶりのタイトルジャック。工藤監督は「総合力ではありますけど、1人1人が優れているという結果が伴ってこないことには優勝にはならない。個人個人がするべきことをしてくれた」とうなずいた。

14日からは、今季唯一負け越した2位ロッテを迎えてクラマックスシリーズ(CS)を戦う。チームの柱「セブンクラウンズ」を中心に、日本一まで勝ち続ける。【山本大地】