全日本野球協会(BFJ)は11日、都内で会見を開き、U12世代の指導者を対象とした「公認野球指導者 基礎1 U-12」の指導者資格を付与できる体制が整ったと発表した。野球界初の共通指導者資格(硬式・軟式の区別なく、特定団体の所属を条件としない)となる。

野球人口の減少が進む中、16年5月にプロアマ合同の「日本野球協議会」が設立され、同協議会の「普及・振興委員会」で指導者資格の導入が検討されてきた。山中正竹BFJ会長(73)は「まずは普及に最も大事なU12から取り組んだ」と説明。対象世代は拡大していく方針で、21年3月にはU15を対象とした資格制度の設置を目指している。U18を対象とした制度についても、日本高野連と協議を行っているという。

取得には、BFJなどが主催する講習を受ける必要がある。講習内容は、投球、捕球、打撃などの実技指導にとどまらず、スポーツマンシップ、体罰・暴力・ハラスメントの根絶、リスクマネジメント、チームマネジメント、指導者に必要な医学的知識なども含まれている。登録料は4年間で1万円。

資格取得は任意だが、将来的には1チーム1人は取得を義務づけるなどの制度化も検討する。山中会長は「日々、研さんを積まれている指導者がいる一方で、自らの経験から前時代的な指導を続けている人もいる。今の時代に即した指導のスタンダードを示したい。所属団体が変わっても、長期的な一貫した指導方針を示している」と制度の意味を強調した。趣旨としては、目先の勝利よりも、長期的な選手育成を優先することにあるという。

来年1月には、BFJ主催による「野球指導者講習会(BCC)」が開かれる。毎年実施してきたものだが、今回から「公認野球指導者 基礎1 U-12」の資格取得に対応する。なお、ライブ配信、オンデマンド配信で実施される。