阪神矢野燿大監督肝いりのバント担当コーチがさっそく動いた。秋季練習2日目となったこの日から午前、午後の2部練習がスタート。午後には新設のバント担当となった久慈照嘉内野守備兼バントコーチ(51)が、先発投手の秋山、青柳を引き連れてバント特訓を行った。一塁側ファウルゾーンのマシンを相手に実演指導すると、その後も身ぶり手ぶりで熱血指導。久慈塾は30分近く続いた。

先発投手が真っ先に特訓の対象となったことについて矢野監督は「先発投手のバントって、でかいから」ときっぱり。「(投手のバントミスは)流れが変わるから。失敗してマウンドに上がったら、やっぱり気持ちの中で何かちょっと引っかかって投げてしまうこともある」と、その後の投球にも影響を及ぼしかねないと説明した。

阪神では今季、西勇が投手ではリーグトップとなる9犠打を記録。青柳が7個、秋山が6個と続く。矢野監督は「より自分を助ける意味でも、チームを助ける意味でも、おろそかにできない作戦だから。もちろん、野手もそうなんだけど、特に先発ピッチャーはそういう意識を持ってやってもらいたい」と力説。「芸は身を助ける」ならぬ「バントは身を助ける」だ。