阪神ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)が18日、母校の仁川学院(兵庫)でプロ入りの報告会を行った。校内にある「コルベ講堂」に在校生約200人が集結。吹奏楽部が演奏する、ももクロの「行くぜっ!怪盗少女」の曲に乗せて登壇し、サンテレビ・湯浅明彦アナウンサーとのトークショーがスタートした。

冒頭は高校時代の話となり、「実はサッカー部に入ろうかと迷っていた。サッカーのほうが単純ですし、ボール1つあればどこでもできる」と、ドラフトで1位指名された男とは思えない発言。湯浅アナが「サッカーだったらヴィッセル神戸に入ってたかも?」と尋ねると「なってたかもしれないですね」と笑顔を見せた。小学校からの友人に熱心に誘われて野球部に入部したが「当時は野球に対する熱が冷めていた」と告白した。

練習では佐藤輝の打った打球が校舎の窓ガラスを直撃して割ってしまったこともあった。「修理代は学校側で負担した?」という問いには「はい。ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました」と苦笑いを浮かべ、当時を思い返していた。

高校3年の夏の兵庫大会は1回戦でコールド負け。「悔しかったですけど、自分の夢は終わらない」。自身を奮い立たせ、進学した近大でプロへの道を追い続けた。無名だった仁川学院時代から4年後。佐藤輝はドラフト1位に指名される選手まではい上がった。「自分の才能を信じてやるべきことをやれば結果は出ると証明できたと思う」。真剣な表情で聞く後輩たちへ、先輩らしく金言を与えた。

最後は生徒会長から花束を贈られ、吹奏楽部が「六甲おろし」を演奏した。【只松憲】