“エースフル回転ローテ”で日本一を奪回する。ソフトバンクとの日本シリーズ初戦に先発する巨人菅野智之投手(31)が、第5戦に先発する可能性が20日、浮上した。第7戦にもつれた場合には中2日でスタンバイすることも想定される。4連敗を喫した昨年の同シリーズでは腰痛の影響で第4戦に先発。リベンジに燃える絶対的エースが、初戦でソフトバンク千賀とのエース対決を制し、自身初となる日本一へと腕を振る。

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高ぶる感情をストレートに言葉に乗せた。初戦のマウンドに上がる菅野は、「日本一」に並々ならぬ思いを込めた。「去年の日本シリーズに負けた時から、相当な覚悟を持ってここまできた。去年、日本一になれなかった悔しさが強いですし、僕も人生で1回も日本一になったことがないので、そういうのを強く持ってやりたいと思います」。

リベンジの舞台で、千賀との日本最高峰の投手対決が実現する。1月、ともに鴻江スポーツアカデミーの自主トレに参加。「特別な存在です。同じピッチャーとして、尊敬できるピッチャーはなかなか日本でも少ないと思いますし、この上ない対戦になる。僕たちは挑戦者なので千賀君に挑戦したいです」と強烈に意識した。

自身初、チームでは8年ぶりとなる日本一は、エースの投球が最大のカギとなる。フル回転は必然で、第1戦に先発後は今季初の中4日で第5戦の先発が浮上。第7戦にもつれた場合も登板の可能性はある。13年の日本シリーズで第2戦、第6戦に先発し、第7戦にリリーフした楽天田中(ヤンキースFA)をほうふつとさせる。

タカ打線の対策は、1番の周東封じに重きを置いた。「周東選手を塁に出さないこと。中軸につながせないってところが一番ですし、盗塁警戒しながら中軸と勝負するのはなかなかリスキー」と警戒。「ある意味、(中軸に)『ソロホームランはいいよ』というぐらい割り切った勝負ができれば。そういうマインドの時はいいピッチングができる」とプランを立てた。

今シリーズは35年ぶりの全試合DH制で行われる。「監督がよく言うように、胸をつきあわせた状態でしっかりとした勝負ができれば」とドンと構えた。「強いことは間違いないと思います。でも、僕たちにもやっぱりプライドがある」。燃える思いをボールに込め、頂点を奪い取る。