ソフトバンク工藤公康監督(57)が日本シリーズ9連勝をマークし連勝記録を更新した。

18年の第3戦から広島に4連勝、昨年、今年と巨人に5連勝。過去に西武、巨人、ロッテがマークしていた8連勝を抜いた。さらにポストシーズンも13連勝を達成。昨年クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦から白星街道。プロ野球記録をさらに更新した。「みんなが勝つんだという強い気持ちをもってやってくれた結果だと思う」と選手の奮闘をたたえた。

3回には吉川尚の死球の判定にリクエストを要求。判定が覆ってファウルになるなど、細部まで勝利への執念を行き渡らせた。シーズンでは100通りを超える打順を組んだが、CSからは、ほぼ固定したメンバーで5得点。先発千賀が7回まで投げ、モイネロ、森と5点差でも必勝リレーにこだわり「横綱相撲」で押し切った。「もう自分は投手交代しか、してませんから」。それだけチームが完成した証拠だった。

シーズン中同様、三塁側ベンチには今年9月に急逝した川村隆史3軍コンディショニング担当(享年55)のホームユニホームが掲げられていた。「今日が終わればまた明日。勝てるように頑張りたい」。巨人しか経験のない「日本一4連覇」へ、ひとつも落とす気はない。【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク森(9回から登板、1死満塁のピンチを招くも1失点) 少し大事に行き過ぎたかなと思います。でもチームが勝てたので良かった。もう1度気を引き締めて、自分のできることをしていきたい。

▼ソフトバンクが<1>戦に勝利。19年CSの1S<2>戦からのポストシーズン連勝記録を13に伸ばし、日本シリーズは広島と対戦した18年<3>戦から9連勝。シリーズ9連勝は88年<3>戦~91年<1>戦西武、00年<3>戦~02年<4>戦巨人、74年<4>戦~10年<1>戦ロッテの8連勝を抜く新記録となり、工藤監督の9連勝も三原監督が西鉄時代の58年<4>戦~大洋時代の60年<4>戦、森監督(西武)が88年<3>戦~91年<1>戦にマークした8連勝を抜く新記録。チームと監督の両方でシリーズ連勝の新記録をつくった。なお、過去70度のシリーズで先勝したチーム(△○を含む)は44度優勝し、V確率は63%。