遊撃で前人未到の快挙へ-。阪神ドラフト6位の三菱自動車岡崎・中野拓夢内野手(24)が11月30日、名古屋市内のホテルで仮契約を結んだ。

契約金3500万円、年俸800万円。「守備力が一番求められているところだと思う。守備に関しては完璧にやりたい」。現在チームは3年連続で両リーグワーストの失策数を喫しているが、社会人出身の即戦力が負の連鎖を断ち切る。

東北福祉大では二塁も守ったが、本職は遊撃。プロでは「ショートで勝負したい」と、守備の要を主戦場にすることを明言した。掲げる目標は、遊撃手として誰も成し遂げたことのないシーズン無失策だ。「そこを目標にやっていかないと意味がないと思う。ゼロに近い数字に近づけられるようにやっていきたいと思います」。今秋の都市対抗野球では東海地区予選から本大会まで合計8試合に遊撃で出場し、無失策で終えた。「自分の持ち味である守備に関してミスなくやってこれたのは非常に自信になっています」。

ホーム球場となる甲子園の黒土グラウンドも問題はない。「今は芝を守ることが全然ない。逆に土のほうが守りやすさを感じている」と苦手意識はない。日大山形では高2夏に甲子園を経験し、守りやすい印象があったという。「打球への入り方もそうですけど、広いグラウンドでもある。1歩目というのを大事にしてやっていきたい」。聖地で好守連発のイメージはできている。(金額は推定)【只松憲】

◆中野拓夢(なかの・たくむ)1996年(平8)6月28日生まれ、山形県出身。日大山形では2年夏に甲子園出場。東北福祉大では3年春に遊撃手、4年春秋は二塁手と計3度のベストナイン。三菱自動車岡崎を経て、20年ドラフト6位で阪神の指名を受けた。座右の銘は「夢かなうまで挑戦」。趣味はゴルフ。171センチ、69キロ。右投げ左打ち。