苫小牧コンビで地元北海道を盛り上げる。日本ハムのドラフト5位、苫小牧中央・根本悠楓投手(17)が2日、苫小牧市内の同校で契約金2000万円、年俸520万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。プロ入りへ向け、決意を表す漢字一字にドラフト1位の苫小牧駒大・伊藤大海投手(23)と同じ「勝」という字を選んだ。左右の道産子投手でチームの看板選手になる目標を掲げた。

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示し合わせていたかのようだった。仮契約後、報道陣を前に根本が色紙に文字を書き入れた。「勝てる投手というのを目標にしている。試合に勝つだとか、いろんなことに対して勝つということで『勝』つという文字を選びました」。1日に仮契約したドラフト1位の伊藤も来年への思いに「勝」という字を選んでいた。苫小牧で鍛錬してきた者同士、思いは一緒だった。

数少ない道産子投手として、ともに活躍できる日を思い描いている。「北海道出身、苫小牧ということで、北海道全体を盛り上げられるような感じがする。一緒の日に投げたいなと思う」。苫小牧コンビでの活躍は、近い将来への目標となった。

ドラフト以前から伊藤に対して尊敬の念を抱いてきた。今年3月、伊藤が動画投稿サイト「YouTube」にチャンネルを開設。練習法などを紹介していたことから、動画を参考にして、トレーニングの一部を取り入れたこともある。「軸足にしっかり体重を乗せるというのをやっていました」と明かす。

ドラフト指名後には、知り合いを通じて連絡をとり、ともに練習する機会に恵まれた。「(向こうは)ドラフト1位、練習をこの時期にしたら少しは自分が追いつけるんじゃないかとやらせてもらった」と狙いを話した。キャッチボールをした際には球質に驚かされた。「全然違いました。軽く投げているんですけど、すごい伸びがあって、今まで捕ったことがなかった」と驚いた。

伊藤のストイックぶりも刺激になった。「いろんなことに対して細かくて、すごく考えている。トレーニングのやる意識が自分と全然違ったのが印象的」。年齢は6歳違うが、プロでは入団同期になる。「代表できるような投手になりたい」。チームを支える左右の道産子投手となって北海道を熱くする。【山崎純一】