日本ハムが国内フリーエージェント(FA)権を行使したヤクルト小川泰弘投手(30)の獲得に乗り出すことが5日、分かった。

今オフはエース有原航平投手(28)のメジャー移籍が濃厚な状況。手薄となる先発陣の補強へ通算75勝を誇り、今季はノーヒットノーランも達成した右腕に白羽の矢を立てたもようだ。2年連続5位からの巻き返しへ、覚悟を持って3年ぶりにFA市場へ乗り出す。

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日本ハムの今季の先発陣は8勝で3人が勝ち頭となった。有原と左膝骨折の大ケガから復活した上沢、来日1年目で日本球界に適応したバーヘイゲンが引っ張る形だった。3人に続くのがキャリアハイの7勝(救援での1勝を含む)を挙げた杉浦。ショートスターター、先発、中継ぎとさまざまな形で起用された加藤が4勝、ルーキー河野が3勝、今季限りで退団したマルティネスが2勝、上原が1勝だった。

メジャー移籍が濃厚な有原が抜ける想定で来季の先発陣を考えると、上沢とバーヘイゲンの2本柱が軸。今オフに獲得したメジャー通算13勝左腕ロビー・アーリン投手(30=ブレーブス)も先発起用の見込み。杉浦は今季終盤にクローザー適性も発揮したことで来季の起用法は流動的な部分も残っており、先発ローテ入りが確定的なのは3人という現状。今季10勝を挙げたヤクルト小川が補強ポイントに合致するの明白だ。

実力も実績も申し分ないだけに、20代が中心の若い投手陣全体にも、いい刺激を与える存在にもなりそう。また、ドラフト1位で入団する伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)も、同じ大卒でプロ入りしてルーキーイヤーから結果を残した小川の経験値は、参考になることが多いはずだ。