阪神岩崎優投手(29)が17日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、1500万円増の年俸9500万円でサインした。今季は不動のセットアッパーとして活躍し、入団から7年連続の昇給を勝ち取った。来季はブルペンの柱として、優勝と個人タイトル奪取を誓った。またオリックス能見の社会貢献活動を引き継ぐことも発表した。

阪神の契約更改一覧はこちら―>

岩崎は7年連続昇給という形で、チームへの貢献が評価された。1500万円増の年俸9500万円で一発サイン。球団生え抜き選手では、鳥谷の8年連続に次ぐ右肩上がりだ。ブルペンでは藤川、能見という精神的支柱が抜けた。交渉の席で、球団からリーグ制覇に向け、「ブルペンを引っ張ってくれ」と期待された。クールな岩崎は「優勝します」と短い言葉に熱い思いを込めた。

今季はセットアッパーとして41試合に登板し、5勝2敗17ホールド、防御率1・82。プロ初を含む2セーブも記録した。来季の目標には「チームの優勝と自分がタイトルを取って、自分もチームもいいシーズンになるように」と、力を込めた。ブルペンの柱としての意気込みを問われると「自覚はもちろんあります」とはっきりと答えた。来季は背番号を「67」から「13」に変更。背中でけん引していく決意だ。

来季から、子どもたちに向けた社会貢献活動に取り組むことも発表した。西宮市および地元静岡市清水区の児童福祉施設などに、登板試合数に応じた金額分の玩具を寄贈する。この活動はオリックスに新加入した能見兼任コーチが、阪神時代の14年から続けてきたもので、同じ中継ぎ左腕からバトンを引き継いだ。

「プロ野球選手として子どもたちのために何かしたいという思いがあり、この活動を実施することになりました。チームのため、子どもたちのため、という思いを原動力に。1試合でも多く登板を積み重ねることができるように頑張りたいと思います」

子どもたちに夢を、そしてチームに優勝というプレゼントを運ぶ。【奥田隼人】(金額は推定)

 

▼鳥谷の8年連続昇給 03年のドラフト自由枠で入団し、即戦力の期待通り1年目から101試合に出場した。2年目の05年は遊撃の定位置をつかみ全試合に出場、リーグ優勝に貢献、年俸は3800万円にアップ。自己最多(当時)の80打点をマークした08年オフには、1億円の大台も突破した。自己初の打率3割、遊撃手最多の104打点を挙げた10年オフには1億円アップの2億6000万円でサイン。11年オフには3億円の大台で更改した。12年は打率2割6分2厘とふるわず、同年オフの交渉では2000万円ダウンの2億8000万円でサイン。9年目で初の減俸更改となった。