ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)がトリプルスリーを達成した15年以来、5年ぶり2度目のMVPを受賞した。

柳田は真剣な表情で喜びを語った。「(2年連続で)優勝を逃してから、これが一番の目標やったんで。やっとかなったかなという感じです」。トリプルスリーを達成した15年以来、5年ぶり2度目のMVPをかみしめた。

今季は打率3割4分2厘、146安打、29本塁打、86打点、出塁率4割4分9厘と5部門でチームトップ。自身初の最多安打のタイトルも獲得した。左膝裏の故障に泣き38試合の出場にとどまった昨年から見事に復活し、離脱することなく119試合に出場。チームの中心として走り切り、3年ぶりのリーグ制覇と4年連続日本一に導いた。

新型コロナウイルスの影響を受け、開幕は無観客。初めて観客が入った7月10日楽天戦では劇的なサヨナラ本塁打を放った。「ファンの方が来てくださった時のことはすごく覚えています」。ファンあってのプロ野球を、改めて実感する1年になった。

前回MVPを受賞した15年は27歳。自分よりも年上の選手がスタメンに並んでいた。「あの頃はMVPを目標なんて、1ミリたりとも思っていなかった。トリプルスリーをやりたいという思いで全力だった」。32歳となった今、チームでの立場も変わった。「リーグ優勝したい、MVP級の活躍をしたいと思って取れた。格別かなと思う」とうなずいた。次なる目標もMVPだ。「(工藤)監督が2回なんで、3回目ですかね。次の目標は」。リーグ連覇、5年連続日本一を狙うチームの中心に柳田がいる。【山本大地】