DeNAは19日、古村徹投手(27)が現役引退すると発表した。

古村は茅ケ崎西浜高校(神奈川)から11年ドラフト8位で入団。14年オフに戦力外となり、15年は打撃投手を務めた。16年には四国IL・愛媛で現役復帰。18年はBC・富山に移籍した。同年に入団テストを受けて、19年にDeNAに復帰していた。1軍登板は、最初の在籍時を含めてもなかった。

今月7日には12球団合同トライアウトを受けていた。カウント1-1からのシート打撃では、打者3人に対し2安打1三振だった。トライアウトの最速は141キロ。楽天田中耀には左前打を浴びたがバットを折り、ヤクルト田代には左翼線安打を打たれたが、左の日暮(ソフトバンク)からは125キロのスライダーで三振を奪っていた。「打たれたけど、力は出せて楽しかった。僕は1度クビになってはい上がった。戻って来られたことを1軍で証明したかった」と話していた。

引退に際し、球団を通じて発表された古村のコメントは以下の通り。

今季限りで2度目の引退を決意しました。数年前に引退したにも関わらず、もう1度プロ野球選手としてチャンスを与えてくださった横浜DeNAベイスターズには感謝の気持ちでいっぱいです。そして幼少期から何不自由なく野球をやらせてくれた家族、前回も今回もなかなか思うようにプレーが出来なかった中でも応援してくださったファンの皆様にはたくさん背中を押していただきました。ありがとうございます。

僕が歩んだ野球道は一直線ではなく難しい道のりでした。決して胸を張れる野球道ではなかったですが、それでも周りに左右されず自分を信じ続けた事が今日まで野球をやり抜けた要因だと思います。つらいと思っていた、けがも、まわり道も、人に笑われた事も、振り返ってみれば全てが僕の財産になり僕自身を守ってくれる盾なんだと思っています。

9割の辛と1割の幸。

これからも辛い(つらい)思いをしながら、小さな幸せをたくさん積み上げていつかその盾で立派な要塞(ようさい)を築き上げられるようにこれからも精進していきます。またいつかお会いしましょう、ご声援ありがとうございました。

◆古村徹(こむら・とおる)1993年(平5)10月20日生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高から11年ドラフト8位でDeNA入団。四国IL・愛媛-BC・富山をへて19年にDeNA復帰。180センチ、80キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸570万円。