5年連続日本一を目指すソフトバンクが、さらなる「育成部門」の強化を図ることが19日、分かった。

来季から2、3軍のフロントファーム部門の野手育成担当に、今季まで関東地区のスカウトを務めていた荒金久雄氏(42)が就任。ポスト松田宣ら次代を担う若手野手陣の強化を目指す。

日本シリーズでは巨人に2年連続の4連勝でV4を達成。祝勝会でマイクの前に立った孫オーナーは「(日本シリーズの)5連覇を目指して頑張りましょう」と、早くもV5指令を飛ばした。球団の大目標は巨人V9を超える「V10」だけに、足踏みは許されない。

今季は栗原が打率2割4分3厘ながら17本塁打、73打点と打撃力アップを見せれば、昨季育成から支配下登録された周東が50盗塁で、リーグ盗塁王に輝くなど大ブレークした。だが「次代の野手編成」はチーム最大の課題と言える。これまではヤクルトに移籍した内川やベテラン松田らがチームをけん引。グラシアル、デスパイネ、バレンティンと助っ人陣も35歳以上となるだけに、若手の台頭は常勝の必須条件。特に内野手の強化は急務だ。

来年1月から育成担当となる荒金氏は、今季まで関東地区スカウトとして高橋礼、椎野、奥村、増田らを担当。今ドラフトでは将来性豊かな同2位、笹川吉康外野手(18=横浜商)を獲得。スカウト経験を生かして若手野手の強化を図る。小久保新ヘッドコーチも就任し、1軍から3軍までの育成に関する情報共有もこれまで以上に密に進めていく方針だ。

◆荒金久雄(あらかね・ひさお)1978年(昭53)8月1日生まれ、大分県出身。PL学園-青学大をへて00年ドラフト5位でダイエー入団。10年シーズン途中にトレードでオリックス移籍し、12年までプレー。同年オフにソフトバンクのスカウトに就任した。現役時代は178センチ、77キロ。右投げ右打ち。