日本ハムは3日、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた西川遥輝外野手(28)が契約交渉期限である米東部時間2日午後5時(日本時間3日午前7時)までに契約合意に至らず、不成立となったと発表した。

複数球団から興味を示されていたが、今オフはコロナ禍の影響でメジャー野手のFA市場も停滞気味で、交渉はまとまらなかった。西川は昨年12月2日に日本ハムの契約保留選手として公示されている。今後は保留権を持つ日本ハムと交渉、残留となる可能性が極めて高くなった。

真っすぐな思いは、届かなかった。メジャー志向を明かしたのは19年11月27日だった。契約更改後の会見で自ら切り出した。「3年くらい前だったかな。吉村GMに『自分の夢を追いかけてます』という話をして…。自分のわがままですけど、アメリカの方の話をさせてもらった」。きっかけは16年から19年まで参加したアリゾナ春季キャンプを経験したことや、17年オフにメジャー移籍を果たしたエンゼルス大谷の存在。不動の1番打者として着実にキャリアを積み重ねる中で、どんどん夢は膨らんでいった。

プロ10年目の20年シーズンは思い描く未来を切り開くための1年だった。札幌市内でイベントに登場した12月5日には、シーズンを振り返って「(好結果を)残さないと見てもらえない。就活じゃないけど、そういう気持ちでやっていた」と明かした。打率は3割6厘で4年ぶりに3割超え。92四球は両リーグトップで出塁率4割3分はキャリアハイ。42盗塁はリーグ2位で自身2年ぶり4度目の40盗塁超え。中堅守備では4年連続4度目のゴールデングラブ賞を受賞と攻守で結果を残した。

代理人はブルージェイズ山口を担当するジョシュ・パーセル氏と契約していた。「活躍したいし、成功して大きな契約を取れるのが一番いいが、行かないと得られないものはいっぱいある。通用しないという人もいるが、それ以上のものが絶対ある」と覚悟を決めていたが、思いはいったん封印。今季も日本ハムでプレーし、順調ならば海外FA権も取得予定で、今オフは再び去就が注目されそうだ。