1冊のバイブルを手にジャイアンツ寮の門をたたく。巨人ドラフト1位の平内龍太投手(22=亜大)が今日7日、入寮を迎える。持ち込むと決めているものは、亜大の先輩のDeNA山崎が記した「約束の力」。調子が上がらず悩んでいた大学2年の春に、生田監督から手渡された本だ。

同書に書かれた熱いやりとりに心を打たれた。帝京で指名漏れした山崎が大学入学時に、プロへの思いを生田監督にぶつけた。同監督は「俺が必ずドラフト1位にしてやる。これは男の約束だ。俺についてこい」と呼応。平内自身も神戸国際大付時代に指名漏れを経験しており「僕も入学時に同じようなことを言っていただいたので『自分も絶対プロに行くんだ』と励みになりました」。大学4年春に右肘のクリーニング手術を受けた際にも心が折れることはなく、かつての山崎のように1位指名をつかんだ。

「ヤスアキロード」で目指すは頂点。山崎は1年目に新人最多記録となる37セーブをマークし新人王に輝いた。平内も2桁勝利を挙げての新人王を目標に掲げる。母校の先輩のわだちをたどり、プロの猛者たちに戦いを挑む。【久永壮真】