中日ドラフト1位の最速154キロ右腕、高橋宏斗投手(18=中京大中京)が、センバツ出場を決めた球児たちにエールを送った。

19年の明治神宮大会で初優勝したが、出場予定だった20年センバツはコロナ禍で中止、夏の甲子園大会も消えた。新チームから公式戦無敗の28連勝で高校野球を終えた「先輩」は、感謝と感動あふれる甲子園になることを願った。

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センバツ出場を手にしたみんな、おめでとう。今回開催されることに高校球児のみんなには「感謝の思い」を持ってほしい。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で困難な状況が取り巻いている。その中で家族やチームの仲間だけでなく、周りの人たち、大会開催に力を注いでくれている人たちもいる。日本中が大変な思いをしている。だからこそ感謝の思いを持たないといけないと思う。

去年のコロナ禍で僕たちが優勝を目指したセンバツ、夏の甲子園もなくなってしまった。センバツ中止が決まった時はすごく戸惑った。何をしていけばいいか最初は全く分からなかった。全体練習もなくなったけれど、1人で過ごすことが増えてだいぶ落ち着けた。公式戦28連勝で高校生活を終えられたのも、チーム全体で無敗を共有することをモチベーションに変えられたからだと思う。

春の自粛期間がなかったら、僕はここまで成長していなかった。50日ほど全体練習がなく、必要なメニューを1人で考えて取り組んだ。中日ドラゴンズに入団することができた今の自分にプラスに働いていると感じている。

僕たちも意識していたけど、今年のセンバツは令和最初になる。母校、そして全ての高校に期待している。野球を通じて生まれる感動を多くの人に届けてほしい。(中日ドラゴンズ投手・高橋宏斗)

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日、愛知県生まれ。小学2年から三郷ファイターズで野球を始め、中学時代は豊田シニア。中京大中京に進み、2年時の19年明治神宮大会で優勝。昨秋ドラフトで中日の単独1位指名を受け入団。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。