「教えてください、マー君先生」。楽天田中将大投手(32)が8日、「先生役」で後輩投手の“答案”をチェックした。

合流3日目のこの日、自身の調整後に34分間ブルペンを視察。初日に「気軽に聞いて」と呼び掛けたが、投球を終えた則本昂、森原、酒居から投球フォーム、投球論、意識などを聞かれ、自らの思考や技術を的確に示した。

自ら進む道、考え方は正しいのか。答えを求めるように、3投手が田中将のもとを訪れた。則本昂からはこの日の練習開始前に、投球時の体の使い方や打者に向かっていく時の体の位置を聞かれ、身ぶり手ぶりを交えながら説明。ブルペンでは、“青空授業”の成果を自らの目と則本昂の言葉で確認した。

7日にスプリットの握りとイメージを伝えた森原には、より細かな技術を加えた。「感覚はいい感じなんですが、どうでしょうか?」と聞かれ、「いいと思うよ。ボール1個分リリースを前で離したら、もっといいよ」と助言。「真っすぐと同じところにミットを構えてもらって、そこよりは上にはいかないように」と投球時の意識も教えた。

酒居とは最長の約5分間、“答え合わせ”した。酒居によれば、詳細は「秘密です」と伏せたが、低めに投げる極意を「『こういうターゲットを持って、放るべきだよ』と教わった」という。後輩から提出された解答に、自分の考えを加えながら返答する“赤ペン先生”スタイルで手を差し伸べた。【久保賢吾】

▽楽天石井GM兼監督(後輩投手が田中将に質問する姿に)「コーチとのディスカッションも大事ですけど、選手同士のコミュニケーションが一番成長する。体の使い方や感覚を共有できるのはすごく大事」

▽楽天森原(田中将からスプリットの投球時の意識を聞き)「自分で頑張って落としにいかないように。フォークでワンバンの練習とかもしたりすることもあると思うんですけど、たたくイメージじゃなくて、と」

▽楽天酒居(田中将からの助言に感謝し)「自分で思っていたところと重なるところがあったし、考え方が間違ってないんだと再認識できた」