巨人ドラフト5位の秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が12日、宮崎キャンプで1軍練習に合流した。紅白戦では8日に2安打、前日11日は3安打と最高のアピールを決め、声が掛かった。練習前に集合した際には、球界野手で史上最長身となる2メートルの体をピンと伸ばしながら、やや緊張の面持ちで原辰徳監督(62)の言葉に耳を傾けていた。

緊張せず、リラックス-。どんな世界でも、そんな言葉を頻繁に聞く。前日11日、緊張しないようにするには、どうすればいいのか聞いた。幾多の修羅場をくぐり抜けてきた指揮官は「緊張するというのはね、とてもよく人間に成長をさせる。神様が与えてくれているご褒美ですよ」とほほ笑んだ。「緊張を楽しむことよ。そこでもし失敗したら、ごめんなさいって言えばいい。自分の緊張を分かる、緊張が分からないと、怖いものがある」。

原監督にも「緊張」をプラスに変えてきた経験がある。鳴り物入りで入団したプロ1年目の春季キャンプの1カ所打撃練習では、多くの視線を全身で受け止めながらも、ひと振りで結果を生んだ。「すごく緊張した。結果も出さなきゃな、って。今のひむか(球場)で初球を場外」。日本代表を率いて世界一をつかんだ09年のWBCでは試合前に胃薬を飲むほどの緊張と重圧を受けた。「緊張というのは自分が緊張するんじゃなくて、何かに対して何かをしなきゃいけないという、そういう中で緊張する。自分1人じゃ味わえないということは、すごく幸せなことだな」。緊張するということは、周囲の期待に応えたいという思いや責任感が芽生えていることの裏返し。だからこそ「ご褒美」なのだろう。

秋広は1軍に合流した自分への期待を、大きな体で受け止めていることだろう。ウオーミングアップを終えて打撃練習をする際には、表情も少し和らいできた。緊張をしないようにするのではなく、重要なのは緊張していることを感じながら、積み重ねてきたことを信じて思い切って物事に取り組むこと-。将来の三塁手にと期待される高卒ルーキーには、これから数多くの「緊張=成長」の場面が待ち受けている。【浜本卓也】

巨人担当のツイッターはこちら―>

巨人ニュース一覧はこちら―>>>