マジでギータ級やん! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)がバットを折りながら衝撃的なファウルを放った。楽天との練習試合(宜野座)に「3番三塁」で出場。初回に芯を外されたバットが破砕。それでもパワーで右翼ファウルゾーンの柵の向こう側へ運び、01年のダイエー松中、18年のソフトバンク柳田らの伝説的な「バット折れ弾」を彷彿させた。2安打を記録し、本職の三塁も守った。黄金ルーキーの存在感は日に日に増している。

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根元から折れたバットの先は、一塁側の楽天ベンチ前へ飛んだ。グリップ部分だけを持つ佐藤輝は空を見上げる。打球は大きな弧を描き、右翼ファウルゾーンの柵を越えた。「強いスイングを心がけている。でもファウルなので…」。あと数メートルほど内側に飛んでいれば、対外試合2試合連発の当たり。特大ファウルで宜野座に衝撃を走らせた。

初回の第1打席。楽天高田萌の内角低め変化球をすくい上げた。バットを折りながらの“アーチ”は「ないと思います」と本人も初体験。最近では18年の日本シリーズでソフトバンク柳田がバットを折りながらサヨナラ本塁打。さらに01年には平成唯一の3冠王、ダイエー松中が西武松坂からバットを真っ二つにされながらバックスクリーン弾を放った。球界の伝説弾に匹敵するパワーを見せつけ、中日金子スコアラーも「シーズンだったらYouTubeとか(で取り上げられる)。あんなんほんまにあるんですね」と驚いた。この打席はフェンスギリギリの中飛に倒れたが、見せ場は作った。

4回は中前打、8回は左前打とどちらも左腕を苦にせず快音を残した。「苦手ではないです。逃げていく球だったりにうまく対応していきたい」。実戦4試合連続安打で、ここまでチーム最多の7安打。打率は4割1分2厘と打棒は止まらない。「まだ練習試合なので、これからですね」。規格外のパワーとともに、数字もしっかり残している。

この日はプロで初めて本職の三塁で出場した。唯一の守備機会で野選を記録したが「ミスもしましたけど、打球が飛んできてもしっかりさばけるように準備していきたい」と切り替えた。次回18日のDeNA戦でも三塁で出場する予定。黄金ルーキーが波に乗っている。【只松憲】

▽DeNA加賀スコアラー(佐藤輝について)「バッターボックスでも、守っていても雰囲気がある。1年目であそこまで雰囲気があるのは今後も楽しみ」

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