阪神の2軍本拠地の移転を誘致している兵庫県尼崎市が19日、誘致に関する住民へのアンケート調査結果を発表した。

移転先として同市が検討している小田南公園の近隣住民や公園利用者1万1098人に対し昨年11月に実施。2738件の回答があり、誘致に対して「賛成」が57・3%、「どちらかと言えば賛成」が18・1%と、合わせて75・4%が歓迎する結果となった。

同公園は阪神大物(だいもつ)駅から徒歩3分ほどの場所にあり、アンケートでは「大物駅周辺に人が多く集まり、経済の活性化が見込まれる」「子どもたちにとって、プロ野球が身近な存在になりとてもいいことだと思う」などの好意的な意見が多く寄せられた。

一方で反対意見や「樹木や緑地をなくさないでほしい」「人が増えることによる治安の悪化が心配」「交通渋滞が心配」「ナイター照明が住宅に差し込まないか心配」といった心配の声も寄せられた。同市では今回のアンケートをもとに、誘致計画を再検討し、2月中に検討状況を公表する予定。

同市の市議らが昨年10月に明らかにしたイメージ図などによればメイン球場は3階建てで最大収容人数は4000人。他にサブ球場とミニサブ球場、多目的運動広場、室内練習場、選手寮なども併設し、25年からの運用を目指すとしている。

阪神電鉄の広報は「尼崎市がアンケートを公表されたことは承知しております。現時点では移転する、しないも含め、まだ何も決まっておりません」と話した。現在の2軍本拠地がある鳴尾浜(西宮市)は老朽化や手狭なため移転は検討課題になっている。今後は尼崎市が再構築した移転案を待ち、同市とともに検討を重ねていく。【石橋隆雄】