阪神高山俊外野手(27)が3年ぶりの開幕スタメンに大前進だ。練習試合のDeNA戦(宜野座)に6番右翼で出場。2戦連続マルチ安打を決め、4割4分4厘に上げたキャンプ実戦打率は堂々の“チーム首位打者”だ。矢野燿大監督(52)からは第4クールの「かっこいい大賞」にも選出された。低迷が続いていた16年の新人王が、外野の一角奪取へ必死のアピールを続ける。

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高山のバットが止まらない。DeNA戦に6番右翼で出場。2回は先頭で、先発阪口の内角高め143キロ直球を中前にはじき返した。4回は無死二塁から、右腕の内角低め136キロ変化球にうまく反応。追い込まれながらも巧みなバットコントロールで一、二塁間を破り、2戦連続のマルチ安打を決めた。激しい外野のレギュラー争いの中で、確かな数字を残して際だった存在感を見せている。

今キャンプは全実戦9試合に先発出場。27打数12安打で打率4割4分4厘を残し、“チームの首位打者”(10打席以上)を走る。外野手の新助っ人、ロハスら外国人の来日メドが立たない中、開幕右翼に大前進のアピールが続いている。

今季は打撃フォームをオープンスタンスに変え、試行錯誤の日々。この日も2安打を放ったが「まだちょっと分からない」と、満足はしていない。結果を出し続けながら、同時に完成形を追い求めていく。

矢野監督は「(打撃は調子を)維持できているし、もっともっと高いところを目指してやっていると思う」と評価した。背番号9を第4クールの「かっこいい大賞」にも選出し、「バッティングを含めて本当に試合に出たいという気持ちと、この何年かの悔しい思いが俊の中で気持ちも出て。また形にもなってきている。外野手争いも最後までどうなるか、シーズンを通しても楽しみなところ」と期待を込めた。

16年の新人王はここ数年、レギュラーをつかめずに控えに甘んじてきた。今年こそはの気持ちは、指揮官にも届いている。ここから開幕に向けて助っ人陣ら主力選手の実戦出場も増え、打席に立つ機会は限られてくる。「今しか出るチャンスもない」。少ないチャンスの中で、必死のアピールを続けていく。【奥田隼人】

▽阪神井上ヘッドコーチ(高山について)「オフの間にいろんなことを試して、今春のキャンプに来た時に秋の高山俊から違ったものが見えた。こういう形を続けていけば『オレにもチャンスがある』というのを持ち続けてほしい」

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