計算の立つ投手であってこそ、大役を任せられる。阪神藤浪晋太郎投手(26)は西武戦(甲子園)に先発し、初回3失点から落ち着いて立ち直った。プロ9年目で初の開幕投手が決まってから初マウンド。5回を3奪三振3安打3四球で3失点にまとめ、修正能力の向上も印象づけた。

登板後、右腕は反省していた。「初回はちょっと一生懸命に行き過ぎたというか…。しっかり抑えようという気持ちが力みに変わってしまった」。1回は3番森、4番山川、5番栗山の3連打から3失点。それでも2回以降は必要以上の気負いを排除し、残り4イニングをノーヒット投球だ。

前回登板した5日ソフトバンク戦は4回無失点ながら「力任せというか、エイヤーという感じだった」という。「今日に関しては、いい力感で投げられた。初回を除けば、先発らしい投球ができた」。降雨の中、立ち上がりに失点しても大崩れしない。さらに信頼度が上がる内容だった。

大阪桐蔭時代に甲子園春夏連覇を達成した際の女房役、森には152キロを強振されて左越え適時二塁打を浴びた。「初球(外角低め153キロを)いきなり強いスイングでファウル。さすが森やな、と。あらためていい打者だなと思いました」。1学年下の後輩との対決を楽しむ余裕すらあった。初回には最速157キロも計測。心身ともに頼もしい状態にある。

7日に矢野監督から開幕投手を通達された。「ローテを奪いに行く立場から、しっかり調整しなきゃいけない立場になった」。言葉からも覚悟がにじみ出る。開幕前最後の登板は19日オリックス戦。「納得いかない形でシーズンに入りたくない。これなら開幕でうまく投げられる、いい感じで投げられると思って終われるようにしたい」。3・26ヤクルト戦へ、丁寧に階段を上りきる。【佐井陽介】

▽福原投手コーチ(藤浪について)「立ち上がりはどんな投手でも力む。ちょっと力み過ぎかなというのはあったけど、2回以降は修正できた。自分で修正できるポイントが、ある程度できているのかなと思います。ナイスボールと言いました」

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