4番も捕手も、当たり前のように走る。阪神大山悠輔内野手(26)、梅野隆太郎捕手(29)が西武とのオープン戦でそろって好盗塁を決めた。

立ち上がりから二盗、三盗を決め、先発今井を翻弄(ほんろう)した。決して足だけが売りではない2人のチャレンジにも、矢野監督は「いや、ある意味、普通だよ」と平然。今季も「足攻めの虎」は健在だ。

まずは昨季1盗塁の4番主将大山だ。1点先制直後の1回2死から四球で出塁。5番サンズの初球、いきなりスタートを切った。意表を突かれた捕手森のワンバウンド送球を誘い、151キロの見逃しストライクでも二盗を成功させた。

昨季5盗塁の梅野は2回、今井の動揺を見逃さなかった。ドラフト1位佐藤輝の特大弾が飛び出した直後、三ゴロ失策で出塁。その後、1死二塁から9番板山の初球、完全に投球フォームを盗んだ。三盗を決め、犠飛でホームインした。

矢野阪神は元々、走塁への意識が極めて高い。就任1年目の19年はセ・リーグ断トツのチーム100盗塁。20年の80盗塁もリーグ最多タイだ。昨季はボーアもマルテも走っている。

チームはここまでのオープン戦で、12球団3位の7盗塁を決めている。指揮官は「走ることに対する意識は、どのチームにも負けていない」と自負した上で「レベルが上がった」と納得。アーチ合戦に注目が集まる3月、虎はひそかにセ界屈指の走力も向上させている。【佐井陽介】

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