阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がミスター超えへ連日の足踏みとなった。オリックス戦に「5番右翼」で先発出場。2試合連続でクリーンアップでの起用となった。2打席凡退で迎えた7回の3打席目は阿部の内角136キロにバットを折られた。失策となり出塁したが、代走を送られて交代。3打数ノーヒットでベンチへ下がった。

17日西武戦の第1打席で本塁打を放った後、11打席連続で快音なし。7回の右翼守備では悪送球で適時失策。2戦連続でエラーを記録した。攻守ともに精彩を欠いたが、矢野監督は「完璧で、っていうことはあり得ないんでね」と受け止めた。「打つだけが野球じゃない。そういうところもいろいろ学びながら、まだまだこれからも課題は出てくる」とルーキーを思いやった。

試合前には近大の卒業式に事前収録したビデオで出演した。卒業生向けのメッセージでは、目標を掲げることの大切さを説明。「プロ1年目の目標は新人王を取ること」と力強く語った。そして、「将来的には僕が好きなイチローさんのように球界を代表するようなそんな選手になれるように努力していきたいと思います」と大きな夢を描いた。

球史に名を残すチャンスは残されている。58年に長嶋茂雄(巨人)がマークした新人のオープン戦7本塁打まであと1本。開幕まで残りは1試合。快挙達成のアーチ締めで、開幕に向かう。【林亮佑】