矢野虎、優勝や~!! 阪神がオープン戦を単独首位で終えた。

敵地でのオリックス戦に1-1で引き分け、5年ぶりの12球団トップ。9勝2敗2分け、勝率8割1分8厘と圧倒的な数字を残し、矢野燿大監督(52)もチーム力の底上げに手応え十分だ。16年ぶりリーグ制覇、そして悲願の日本一へ。虎党のワクワクが止まらない。

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阪神がトップでゴールテープを切った。5連勝で臨んだ最後のオリックス戦に引き分けたが、同率で並んでいたソフトバンクが敗れて単独首位。シーズン本番に向けた前哨戦とはいえ、セ・リーグ球団が下位に沈む中でその戦いぶりが際立った。矢野監督も大きくうなずいた。

「当たり前の基準を上げていこうってずっと言ってきている中で、本当にその基準がそれぞれの選手で上がった。その結果が、こういう風に数字にも出ていると思う。手応えを感じたキャンプからオープン戦だった」。凡打の際に一塁までどれだけ走れるか。打たれた後にベースカバーにどこまで行けるか-。指揮官が繰り返してきたことが「当たり前」の徹底だった。

締めの試合も矢野阪神らしい粘り強さが光った。3回に先制点を許すも5回1死から8番梅野、9番木浪が2者連続二塁打で同点に追いついた。6回からは先発ガンケルからバトンを受けた桑原、石井大、小野がゼロ行進。自慢のブルペン陣が力を発揮した。キャンプ2軍だった板山が2回に三塁打を放つと、守備でもレーザービームに好捕と美技を連発。層の厚さ見せつけた。

圧倒的な攻撃力が快進撃の要因になった。打率2割6分7厘、17本塁打はともに12球団トップ。佐藤輝は12球団最多の6本塁打を放った。この日は蓄積疲労を考慮して休ませたが、黄金ルーキーが起爆剤となって点が線につながった。近年は得点力不足が課題だったが、驚くべき変貌ぶり。矢野監督は「佐藤輝が入って打線もまた面白みが出きたと思う」とその波及効果を認める。

激しい競争の中で佐藤輝だけでなく石井大、伊藤将、中野の新人が実力をアピール。移籍組の加治屋、山本も結果を残した。指揮官は「まだ成長していける。もっともっと力を付けていけるし、そういうところでは目指すところはもっと上」と力を込める。矢野野球が浸透しつつある実りの3年目。大きな手応えを胸に勝負のシーズンに向かう。【桝井聡】

▼阪神がセ・リーグ優勝を果たした5シーズンのオープン戦では、62年3位、64年5位、85年7位、03年3位、05年4位と、1位だった例はない。阪神が公式戦でも優勝を飾れば、2リーグ分立後初のダブル制覇となる。

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