「火曜日の男」広島森下暢仁投手(23)が、開幕前ラスト登板となるウエスタン・リーグ開幕戦の23日中日戦(ナゴヤ)で総仕上げを目指す。

22日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加し、新幹線で名古屋へと向かった。習得中だったツーシームも改良が加わり、スプリットへと変貌を遂げていたことも判明。万全を期し、先発予定の30日阪神戦(マツダスタジアム)へ臨戦態勢を整える。

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春の日差しを浴び、天気雨にもさらされた本拠地外野の芝生上で、森下が軽快に体を動かした。キャッチボールを入念に行い、短距離ダッシュで調整。球数100球めどの開幕前の“リハーサル”となる23日2軍中日戦へ向け、「しっかり抑えることと、いろんな事を試すというよりは結果にこだわってやっていきたい」と気合をにじませた。

2月春季キャンプから、順調に段階を上げてきた。オープン戦では2試合で8回2/3を投げ、計8奪三振に自責0と安定感は健在。しかし前回の16日の西武とのオープン戦では5回途中3四球とコントロールに精彩を欠いただけに「ストライク、ボールがはっきりしていて、良いときと悪いときの差が激しい。良い時の確率をもっと上げていきたい」と力を込めた。

投球の幅を広げる目的で習得中のツーシームに改良が加わり、スプリットに変貌を遂げていたことも判明した。この日、横山投手コーチと約20メートルの距離でキャッチボールを行った際、以下のやりとりがあったという。

森下 (ボールを指で)挟んでいるからスプリットなんですかね?

横山コーチ ちゃんと言っておかないとコーチとかも分からないよ。

森下 じゃあスプリットでいきます!

横山コーチは森下の新球について「少しシンカー気味に落とす変化をイメージしているんじゃないですか」と説明。16日西武戦でも数球試投したという新球について、右腕は「他の球種をしっかり使いながら、余裕がある時に試したりしていければ」と、開幕後も習得を続けていくつもりだ。

2年目は「火曜日の男」として、6連戦の先陣を切る。30日阪神戦へ向け「登板に向けてやるべきことをやって、しっかりと準備した中でいい開幕ができたら」。本番モードに突入だ。【古財稜明】