マー君離脱のピンチを乗り切り、楽天が開幕戦勝利を飾った。今季から日本に復帰した田中将大投手(32)が「右ヒラメ筋損傷」のため27日の日本ハム戦先発を回避。直後の一戦で、辰己涼介外野手(24)が先頭打者、初球アーチをたたき込み、チームに流れを呼び込んだ。石井一久GM兼監督(47)は、初陣で監督就任後初勝利をつかんだ。

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楽天石井GM兼監督が目指す役割は“編集長”だ。「なんでもかんでも自分でやろうとはしない。記者さんは記事を書く、カメラマンさんは写真を撮る。それぞれの持ち場があって、考えがある。僕が編集長として集約するのと一緒。そこのかじ取りはしっかりとしたい」。密なコミュニケーションを大前提に、選手、コーチらと適度なディスタンスをとる。投手、捕手、内野、外野。各位置のスペシャリストを信用、信頼し、成長への方向性をぶらさない。

「全権監督」としてGM、監督の両面でデータを用い、理論的にチームを分析する。一方で「情」に厚く、個々をリスペクトする。「最初から開幕投手に迷いはなかった」と西武時代にともに6年間プレーし、昨季トレードで獲得した涌井を大役に指名。前回登板のヤクルト戦では4回途中8失点と不安を残したが「長い付き合いで言えばターゲットを絞った時必ず彼はやってくれる」と右腕にかけた。「ご飯も現役時代いっぱいごちそうしたので、しっかりやってくれたと思います」。冷静と情熱の間を行き来し、ハッピーエンドを目指す。【桑原幹久】

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