広島は守備の乱れから失点を重ね、連勝が止まった。1点ビハインドの3回に今季チーム2つ目の失策から糸原の3ランにつながり、4回1死一塁から一瞬の隙を突かれてサンズに二塁進塁を許した。開幕から投手を中心にリーグ最少1失策で3勝1敗1分けの好スタートを切った広島が、守備からほころびが生じて首位陥落。佐々岡真司監督(53)は敗戦を教訓に、横浜からの巻き返しを誓った。 

    ◇    ◇    ◇

スコアボードに記された1失策だけではない守備のミスが試合を重くした。ガードを固めて白星を積み重ねてきた広島が守備のほころびから失点を重ねた。連勝は止まり、首位から3位へ。河田ヘッドコーチは試合後「ちょっとピリッとさせないといけないかな」と厳しい表情を見せた。

4点ビハインドとなった4回無死一塁。佐藤輝を三飛に打ち取った直後、インプレーのまま二塁ベースのカバーも離れ、投手中村祐がボールを保持。エアポケットのような一瞬の隙を一塁走者サンズに突かれ、スルスルと二塁を奪われた。失点にはつながらなかったものの、河田ヘッドコーチは「そういうところを突かれたというのは、流れ的にそういう感じになってしまったのかなと思う」と連勝ストップの敗戦を象徴するシーンに首をひねった。

開幕戦以来の失策は0-1の3回。1死一塁から近本のヒットエンドランでの打球は遊撃田中広の正面に転がるも、グラブからこぼれた。一、二塁とピンチを広げ、先発中村祐はフルカウントから投じたスライダーが甘くなり、糸原に3ランを浴びた。6回1死三塁からはサンズの中堅定位置よりやや前に飛球で三塁走者マルテにタッチアップを許し、続く佐藤輝のソロでダメ押し点を奪われた。

引き分けを挟んでの連勝は3で止まり、首位から陥落した。それでも4点ビハインドの9回に阪神抑えスアレスから松山の今季初安打で1点を返すなど意地は示した。河田ヘッドコーチは「明日に向けて、いい傾向は見えた」と意味のある敗戦となることを期待した。2日からは今季初遠征となる横浜でのDeNA3連戦。佐々岡監督も「(ミスは)なくしていかないといけない。集中力というところをもう1回引き締めて、またやっていきます」と手綱を締めた。【前原淳】