オリックス宮城大弥投手(19)が、楽天打線を8回2安打無失点に封じ、開幕2連勝を飾った。

初回1死一、二塁、4回2死満塁の危機を切り抜け、残る6イニングは3者凡退に抑えた。新人王を争う可能性が高い楽天早川隆久投手との雨中の投げ合いを制し、チームの連敗を2で止めた。

初めての楽天生命パークのマウンドで、試合を通して雨に打たれながら、19歳の左腕は不思議な感覚をつかんでいた。「ピンチになっていくにつれて緊張がほぐれて、いい緊張の仕方だったりができたのかなと。ランナーが出て、内心やばいなと思いながら、体自体は落ち着きがあったのかなと思います」と常に冷静だった。

初回1死一、二塁、4回は1死一塁で浅村と相対し、併殺と見逃し三振。相手4番に仕事をさせず、楽天打線を圧倒。「今日はまっすぐが他の球よりよかった。左の内にも投げられたり、外もボールにはなってしまったんですけど、厳しいコースで次に生きる球っていうのが多かった」。最速143キロの表示以上に速度を感じさせる直球、カーブ、スライダー、チェンジアップを操った。

3月27日西武戦で、球団では阪急時代の57年米田哲也以来となる10代投手の開幕カード勝利を挙げた。開幕からの連勝は米田超え。結果が出ても、常に現在地を見据える。同学年のロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川より先に白星を挙げても「今も追う存在ですよ」と謙虚さは変わらない。山岡、山本らがそばにいるから、自分を見失うことがない。

「先輩方から“今日、勝てよ”と言われていました」と、早川との初の投げ合いにも勝った。白熱の新人王レースを予感させる好投だった。【堀まどか】

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▽オリックス・モヤ(2-0の6回1死二、三塁で、リードを4点に広げる2点適時打)「なんとか投手に援護点を、と思っていたから、追加点のタイムリーになってくれてよかったよ」

▽オリックス中嶋監督(宮城の好投に)「初めての球場、足場が悪い。なかなか悪条件がそろった中で、非常にいいピッチングでした。条件が悪い中でここまで投げたことを考え、次のことなどを考えたら(8回で)切るのがベストかなと」