みちのくの大学野球春季リーグ戦が2年ぶりに幕を開ける。仙台6大学は10日開幕だったが、新型コロナの影響により、17日に開幕。昨秋リーグ戦王者の東北福祉大は、6季連続のリーグ制覇を狙う。与座巧人投手(4年=沖縄尚学)は、最終学年でのリーグ戦デビューを目指す。兄は西武で活躍する海人投手(25)。兄に負けじと東北の地で飛躍のシーズンにする。

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与座巧が闘志を燃やしている。4歳上の兄海人は1番の憧れの存在。「尊敬しています。兄のやってきた努力を知っている。プロで活躍する姿を見ると自分も負けてられない」。今春こそ、リーグ戦デビューを期す。

兄はサブマリン右腕だが、与座巧は上手投げ左腕。最速141キロの直球にカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップと4種類の変化球を操り、テンポ良く投げ込んで打たせて取る。「投手が有利なカウントに進めることを意識している。特に、対左打者はしっかり抑えたい。制球力向上が課題です」とさらなる上積みを狙う。

兄の記念日を見届けた。昨年の7月23日、兄がプロ初勝利を挙げた。与座巧は「DAZN(ダゾーン)で見た。1カ月無料体験がギリギリだったので、それまでに勝ってくれと思いながら(笑い)」。普段はシーズン中の兄を気遣って連絡は取らない。だが、この日は家族のグループLINEで祝福メッセージを送った。「海人の活躍が自分の刺激になる。めげずに、やることをしっかりやる」と、気持ちを引き締める機会となった。

大きな目標はプロ野球選手。だが、まずは今春のリーグ戦を見据える。「実力がまだついてきていない。公式戦で投げることが目標。気負わずに、諦めずに頑張りたい」。兄と同じ舞台に立つことを夢見て、東北の地で左腕を振る。【佐藤究】