プロ野球独立リーグ、BCリーグのBC新潟は今日10日、ビジター群馬戦で今季開幕戦を迎える。大卒ルーキー熊谷航内野手(22=大体大)もNPB入りへ、新しい戦いがスタートする。新人ながらオープン戦、練習試合で4番打者を担ってきたパワーヒッター。打率3割5分、本塁打10本を目標に“初舞台”に立つ。

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ネットを破らんばかりにボールはネットに飛び込む。熊谷が繰り広げたティー打撃だった。ベンチプレス140キロのパワーをバットに伝えて豪快にスイング。「緊張はない。楽しみでドキドキする」と、開幕へ高鳴る心臓の鼓動は勇み立つ気持ちの表れだった。

オープン戦、練習試合では4番に座ってきた。「アピールする場を提供させていただいた。思う存分やりたい」と責任の重い打席で大暴れする覚悟だ。宮城・東北高1年夏には4番打者を経験。阪神大学リーグの大体大2年春も4番を担っただけに、重圧はない。「追い込まれた時の対処法など、今は頭を使った野球を勉強させてもらっている」と長距離砲はBC新潟で脱皮を図るつもりだ。

コロナ禍で昨年の阪神大学リーグは中止になった。その間、大阪市内のジムに通い、キックボクシングを習った。持ち前の上半身の強さに「下半身の切れ」をプラスさせるための格闘技挑戦だった。「(NPB入りを)1年で決める、という思いはある」という目標への大きな1歩を、熊谷は今日10日に踏み出す。【涌井幹雄】

◆熊谷航(くまがい・わたる)1999年(平11)2月24日、千葉県生まれの仙台市育ち。野球は仙台で小4から始め、楽天ジュニアに選出される。東北高では高1春から先発入りも、高3夏の甲子園はケガなどで背番号15。大体大では2年春は4番、3年秋は5番を打った。180センチ、95キロ。右投げ左打ち。血液型AB。