本塁踏み忘れでアウトになる珍しいプレーが起こった。

立正大の1点リードで迎えた2回裏。東洋大は2死一塁から宮本涼太外野手(2年=大阪桐蔭)が右越え二塁打を放ち、二塁走者の小口仁太郎内野手(3年=智弁学園)が一気に本塁を駆け抜け、同点に追い付いたかに見えた。しかし、立正大ベンチから「ホームベースを踏んでいない」と声が飛んだ。次打者への投球準備に入っていた田中裕人投手(4年=取手一)は1度プレートを外し、中嶋良平捕手(4年=関西)が審判にアピールして、小口は本塁踏み忘れでアウトに。宮本の記録は二塁打で、東洋大は同点を逃してチェンジとなった。

試合後、中嶋は「僕は見ていませんでした。でも周りの声があったので」と苦笑い。坂田精二郎監督(46)は「私も気付かなかった。ベンチのファインプレーですね」と振り返った。

一方の東洋大・杉本泰彦監督(61)は「本人(小口)は踏んだと言っている。端っこを踏んだんでしょうか。認められなかったのだから、そういう話になる。集中力がなくなったんでしょうか」と話した。

試合は、3回に東洋大が佐々木俊輔外野手(4年=帝京)の右越え2ランで一時逆転も、7回に立正大が相手の失策も絡み3点を挙げ再逆転。そのまま2点のリードを守り切り、今リーグ戦初勝利を挙げた。坂田監督は「この(アピール)プレーで流れが変わった。運もあったのかな」と笑顔をみせた。

プロ野球では、17年6月9日の中日戦で、オリックスのマレーロが本塁打を放つも、本塁踏み忘れ。記録は三塁打となっている。