ドラフト候補にも挙がる、亜大の松本健吾投手(4年=東海大菅生)が、散発2安打完封で今季初勝利を挙げた。

落ち着いて丁寧にコースを突き、低めに集めた。好投にも松本は「後半になってボールが弱くなって球威が落ちた。もっと練習しないと」と反省を忘れなかった。

エースのプライドが松本を奮い立たせた。9日の中大戦では先発するも負け投手に。「もう1度、先発させてください」。生田勉監督(54)に直訴した。指揮官は「そのかわり先発、完投だぞ、と話をしました。今日は交代させるつもりは一切なかった。期待通りでした」と松本の復調に目を細めた。

エース教育が松本を成長させた。2年秋は主戦として10試合に登板、3勝3敗とチームを引っ張った。しかし、昨秋は登板機会無し。チームが毎日取り組んでいる掃除をサボったための罰だった。生田監督は「上級生の生活は下の学年の選手も見ている。掃除をサボった選手は使わない。こういうことも、しっかり出来てこそエースです」。普段の生活態度が野球につながる。精神面から鍛え直し、最終学年を迎えた。松本は「自分を見つめなおす、いい機会になった。野球だけじゃダメだと教えていただきました」と胸を張った。

3月には、自ら希望して鳥取市にあるトレーニング研究施設「ワールドウイング」に武者修行へ。「今まで感じたことのないトレーニングなど教えていただいた」と投球に生かした。まだまだ発展途上。エースとして、今年はチームを優勝に導くつもりだ。【保坂淑子】