主将の一振りで、中大が優勝した72年(昭47)春以来49年ぶりの開幕6連勝を決め、首位を快走だ。0-0の7回1死一、三塁で主将の古賀悠斗捕手(4年=福岡大大濠)が左中間へ決勝3ラン。青学大を下した。東洋大は橋本吏功外野手(2年=花咲徳栄)の3ランなどで立正大に競り勝ち。亜大は後藤貴大主将(4年=神戸国際大付)のサヨナラスクイズで、駒大に勝利した。

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中大・古賀の「覚悟」を乗せた打球は、左中間席へ吸い込まれた。「何が何でも1点を取ろうと振った」。春季キャンプ後から取り組んだノーステップ打法で決勝アーチを描いた。

入学時、清水達也監督(56)に「3年後は主将に似合うような選手になって欲しい」との言葉を心に刻み、昨秋、主将を任された。「個人の結果よりもチームの勝利」と「覚悟」を決めた。これまでの3年間を「自信と確信」と表現。1年春からリーグ戦出場も、先輩投手陣のリードの難しさを痛感した。当時のエース伊藤優輔(巨人)とコミュニケーションを取り、配球を理解し呼吸を合わせた。「試合展開を冷静に判断できない精神状態でした」。

1年秋は入れ替え戦で1部残留を決め「ナイスキャッチャー。お前のリードがあったからだよ」と伊藤に声をかけられ、胸が熱くなった。「苦しんだ分の喜びがあった」と自信を手に入れた。2年時は積極的に投手陣と話し合い、配球を研究。リードに生かし秋季リーグ戦優勝で「確信」へと変わった。今季も優勝争いで1歩リード。「6連勝に浮かれずに、切り替えてこの流れのまま戦いたい」。全国制覇、そしてドラフトへ-。古賀は高みを見つめ表情を引き締めた。【保坂淑子】

▽ロッテ福沢スカウト(古賀について)「今年見た捕手では、送球力が一番高い。声をかけるタイミングなど、投手を助けられる捕手になる可能性がある。打撃も意外性がある」