ソフトバンクが「天敵」の西武高橋を打ち崩せず、1日で首位から陥落し、3位に後退した。得点は初回グラシアルのソロのみで、その後は7回まで投げた右腕の前に1度しか二塁を踏めず。19年5月から3年越しの8連敗と歯が立たない。2週間前にも敗れて「やられたらやり返すのがこの世界」と誓った工藤監督は返り討ちにあい、「次こそはという思いで行くしかない」と苦しい言葉を絞り出した。

頼みの役者たちがチャンスをつくれない。同点の3回。無死一塁で柳田が1球で二塁併殺打に倒れる淡泊な結果に。1点を追う9回も1死一塁で松田が2球で遊撃併殺打となった。敵地に駆け付けた鷹党からため息がもれ、工藤監督は「フォークが気になると低めの真っすぐが打てなかったり。そこをなんとか打ち崩さないと、いつまでも同じようにやられてしまう」と打線の奮起を促した。

特に心配なのは柳田で、9試合連続で打点がない。得点圏打率はチーム最低、リーグワースト5位の1割1分8厘と深刻だ。プロ11年で6度も3割を超えている勝負強い男が苦しんでいる。両アキレス腱(けん)のコンディション不良から再起して開幕には間に合ったが、主砲の復調なくして5年連続の日本一はない。

西武戦は18年9月以来の4連敗。山川、栗山、外崎ら主軸がいない相手に今季1度も勝てず、一夜で首位を譲った。工藤監督は「いつまでも終わったことを悔やむよりは、反省して明日につなげていく」と切り替えた。連夜同じセリフを、鷹党には聞かせたくない。【只松憲】

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