ロッテ岡大海外野手(29)が大きな仕事をした。

2点差に迫られた直後の8回、この日最初の打席に入った。「前の回にハーマンがピンチを抑えてくれてたので、いい流れでそのまま何とかしたいなと」。

オリックス鈴木優のストレートを捉えると、右打者のものとは思えないような勢いで右中間へ伸び、そのままスタンドイン。1号ソロで3点差に広げた。

前夜は6回の同点機で空振り三振。「悔しい部分がありましたし、何とか取り返せるようにという気持ちでいました」とたった1日でやり返した。本塁打は19年9月9日のソフトバンク戦で放って以来、約1年7カ月ぶりとなった。

打撃練習での飛距離はチームトップクラスながら「ぼくはホームランバッターではないです。しっかり率を残さないと」と謙虚だ。かねて確実性の課題が指摘されるも、今季は打率2割9分4厘と好調。「方向性としては悪くないなと思います」と手ごたえもある。春季キャンプでは松中臨時コーチから手首の使い方をマンツーマンで教わった。井口監督も「ヒロミ(大海)はキャンプからずっと調子がいい」と喜ぶ。

代走や守備固めでの出場が多いのは、昨季と変わらない。重宝され、20試合消化時点での出場試合数は昨季と同じ「17」だ。ただ昨季は17試合で8打数0安打だったが、今季は17打数5安打4打点。首脳陣の期待と自身の好調ぶりが、数字に如実に表れる。岡の活躍は、チームの底上げの証しでもある。【金子真仁】