巨人戸郷翔征投手(21)がDeNA打線を相手に6回3安打1失点と好投。今季2勝目を挙げた。昨季は同戦4試合に登板し、唯一の負け越しとなる1勝3敗。球団別防御率6・75は自身ワーストだった。しかし、今季は2戦2勝、防御率1・38と見違える姿を見せている。

先頭に四球を与えても動じなかった。戸郷は3回無死二塁、カウント1-2から1回に同点ソロを浴びた牧の内角へ131キロのフォークを落とし、空振り三振を奪った。オースティン、佐野と続く主軸を3者連続三振に仕留め、ピンチを危なげなく脱した。「そこが一番大きかったかなと思う。1点を取られなかったのが勝利のいい要因になったかなと思う」とうなずいた。

先発ローテーションに定着し、飛躍の1年だった20歳を終え、4日で21歳になった。父の健治さんが2日が誕生日のため、戸郷家では2人の間をとって例年3日に祝うのが決まり。3日はヤクルト戦に先発したが1回に2ランを浴び、8回2失点。好投も実らず引き分けに終わった。例年通り1日早い誕生日を祝うため、試合後に電話をくれた母から好投をねぎらわれたが「みんな頑張っているのに。自分が打たれたから」。勝ちきれなかった責任を自分で背負った。

この日は2回以降、非の打ちどころがない投球を続け、追加点を与えなかった。雨脚の強まった6回に打線から大量6点の援護を受け、自身横浜初勝利。昨季2戦2敗、球場別防御率9・90と苦しんだ敵地でチームの6連勝に貢献した。「(連勝中で)ちょっとプレッシャーだったけど、僕も続くことができて次のピッチャーにいいプレッシャーを与えられたかなと思う」。昨季、1年間先発ローテーションを回った若武者が確かな成長の跡を示している。【久永壮真】