東農大のリードオフマン、西表大夢(いりおもて・ひろむ)外野手(3年=八重山)が、自慢の俊足を見せた。

「1番・中堅」でスタメン出場。5回2死一、三塁で、三塁へゴロを打ったが、ヘッドスライディングでセーフ。すぐに起き上がり、送球がそれる間に二塁まで到達した。8回には死球で出塁し、すかさず盗塁も決めた。

東農大オホーツク監督時代にソフトバンク周東を指導している東農大・樋越勉監督は「タイムは周東と同じくらい。打撃や守備を含めれば、大学時代の周東よりも上だと思う」と評価する。

監督から周東の学生時代について聞いている西表は「盗塁はスタートを切る勇気が大切と言われた。走る前に失敗することは考えないで、スタートを切っています」と明かした。

父は西表島出身だが、西表は石垣島で生まれ育った。50メートルは5秒8で「島で育ったので、小さい頃から外で遊んでいたからだと思います」。砂浜を走ったり、海に潜ったりする日常の遊びで足腰が鍛えられた。

石垣島から「レベルの高い関東で」という思いで東農大に進学した。高校までは内野手だったが、大学入学後に外野手へ転向。「外野の守備にも慣れました。広い守備範囲をいかせると思います」と自信もある。1番打者を任されており「足が速くても、出塁しなければ意味がない。出塁率は4割を目指したい。盗塁は、1回も刺されたくない」と目標を掲げた。