4番のバットが、阪神の無敗神話を粉砕した。巨人岡本和真内野手(24)が2点を追う2回に2号ソロ、1点差の4回は3号同点ソロ。自身5度目の2打席連続アーチで、先制すれば16連勝中だった首位阪神の9連勝を阻止した。出場462試合目で王手をかけた通算100本塁打の球団のスピード記録は原辰徳監督の453試合で、2位は松井秀喜の468試合。伝統の一戦で覚醒の兆しを漂わせた主砲が、一気に大台に到達する可能性は十分だ。

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鮮やかなバットの軌道からきれいな放物線を描いた。1点を追う4回1死、岡本和はまるでリプレーかのように内角低めの初球ツーシームを振り上げた。2打席連続で左中間席に放り込む3号アーチで通算100号に王手をかけた。「ヒットでもホームランでもうれしい。相手も勢いに乗ってますし、何とかひっくり返そうと思った。ホームランになって良かった」と試合を振り出しに戻した。

白木のヘッドとともに調子の闇を払った。通常はヘッドが黒で根元が白木のバットを使用するが18日のDeNA戦からヘッドが白木で根元が焦げ茶のバットに変更した。「気分転換です」というように、配色以外は何も変わらない。開幕前から用意していたもので、33・5インチ、890グラムのメープル製だ。

使い出して以降、3試合連続安打で12打数5安打、2本塁打4打点。1号を放って以降32打席1発がなかった中で「みなさんが僕が打ってない時に打ってくれて勝てたのはありがたかった。逆になったときに僕が何とかできるように」とこの時を待っていた。

前日20日には打撃2冠を獲得した昨季、本塁打王を争った大山に目の前で2本塁打を見せつけられた。2位から首位阪神を追う立場として「負けられない3連戦なんで」と闘志を燃やした。この日の入場者数は1万3969人。入場制限があり、満員には程遠いが、伝統の一戦を主砲の1発が盛り上げた。

プロ7年間で積み上げた本塁打は99本。節目の100号に向け「正直意識したことないですけど、チームの勝ちに貢献できるように1本1本積み重ねていきたい」。眠りから覚めた先には、鮮やかな未来が広がっている。【久永壮真】

▽巨人原監督(岡本和の2発に)「1点目も2点目も目が覚めるというか、自軍に火をつけるというかね。どこか自分で(責任を)背負いながらやっている部分において、これはもう、4番バッターはそういうポジションですから。逆に喜んで楽しんで戦うという気持ちを持ってもらいたい」

▽巨人ビエイラ(来日2年目で初セーブ)「チャンスをもらったことに感謝しています。これからも与えられた仕事をまっとうしたい。全力で投げ込みます」

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