みなさん、ご一緒に! オリックスの「ラオウ」こと杉本裕太郎外野手(30)が、8回に4号2ランを放った。

一塁側ベンチで祝福を受けると、中継カメラに向かって右拳を力強く突き上げる「昇天ポーズ」を披露した。

同い年の同僚で親友の近藤の提案で、今季から本塁打を放った後、ベンチ前で繰り出しているパフォーマンス。人気漫画「北斗の拳」に登場するラオウに憧れて始めたポーズで「打ったら毎回やりますよ!」とこだわっている。

目標はソフトバンク松田の「熱男」や西武山川の「どすこい」に肩を並べること。ただ、まだまだ浸透しておらず「今は球場でポーズしてるのは僕だけなんで…。みんなでポーズをまねしてほしい。もっと打ちますよ!」とファンに絶賛猛アピール中だ。

実は、打撃と同じぐらいに? ポーズも「試行錯誤しながらこの形に」と改良を重ねている。「立ち位置に気をつけて。(以前に)確認したら拳が画面からはみ出していたので…」。身長190センチから豪快なスイングを繰り出す一方、中継映像への映りに気を配る繊細さを見せている。

そんなラオウ杉本の心意気を買って? 主に、本拠地京セラドーム大阪での中継を担当するJ SPORTSも配慮が見られる。あるスタッフは「中継カメラマンにも画面に収めるように、しっかりと指示を送ってます。(本塁打を)打ってくれたら、こちらもうれしいですね」と笑って明かした。

多くの人から愛されるラオウが、無観客試合の始まった京セラドーム大阪で1人、力いっぱい拳を突き上げた。思いは、画面の向こうに伝わったはずだ。【オリックス担当=真柴健】