オリックス宗佑磨外野手(24)が、ドロー劇場にピリオドを打った。1点を追う9回1死一、二塁で左中間に逆転サヨナラの二塁打。プロ7年目で初のサヨナラ打だ。二塁ベース付近で歓喜のジャンプを繰り返した。

「普段通りのことしか(試合で)でない。欲しがってもいい結果は生まれない。状況を考えて、自分の出せる最大のパフォーマンスをするだけ」

コロナ禍で無観客試合。スタンドには警備員以外、誰もいない。「こういうご時世で仕方ないことだけど…。やっぱりファンあってのプロ野球。無観客(試合)で、自分たちでモチベーションを上げようとしていますけど、ファンがいた方がアドレナリンが出る」。それでも、静寂の中、神経を研ぎ澄ませた。カウント2-2から3球ファウルで粘った8球目。高め155キロ直球を意地で押し込んだ。

直前で代打山足がバント失敗。「失敗は誰にでもある。自分が場に応じた仕事をする準備を」。集中力は途切れなかった。試合前には「全員グータッチ」を行い、戦いの場へ向かっていた。「初回の1球目から(相手に)襲い掛かっていこうと。水本ヘッドが『一体感を持って戦うぞ』と」。宗の一打で試合後には「全員ハイタッチ」に変わった。

直近3試合は引き分けが続いており、4試合連続となればNPB史上初だった。中嶋監督は「今までだったら同点止まり。それがサヨナラまで行った。本当によくひっくり返した。チームとしてスッキリした」と今季2度目の逆転サヨナラ劇場を喜んだ。最大6あった借金は2まで減った。ナイン全員が、胸を熱くたぎらせる。【真柴健】

▽オリックス吉田正(8回に6号ソロ)「打ったのはチェンジアップだと思います。浮いてきたボールをしっかりと仕留めることができました」

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