楽天が首位に立つも、5位まで3・5ゲーム差と混戦が続くパ・リーグ。日本ハムのコロナ禍は気がかりだが、どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週の球団別MVPを紹介。パ・リーグ編です。

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【楽天岡島豪郎外野手(31)】快音が止まらない。ここ5試合で17打数8安打、打率4割7分1厘、1本塁打、5打点。特に4月30日からのロッテ3連戦では11打数7安打、打率6割3分6厘と驚異的な数字を残した。13年の日本一を知る男は19年2月に左肩の手術を受け、同年は1軍出場なし。今季も開幕2軍スタートだったが、石井GM兼監督から「彼はファイター」と称される不屈の闘志ではい上がり、4月10日から1軍に定着。グラウンド内外でムードメーカーとして、首位に立つチームを下支えしている。

【ソフトバンク真砂勇介外野手(26)】4月29日日本ハム戦では、今季1号のソロ本塁打を放ち本拠地初のお立ち台に。どんたくシリーズに合わせ「わっしょ~い!」と元気なかけ声で盛り上げた。3度の先発を含む5試合の出場で、11打数5安打3打点、週間打率4割5分5厘をマークし、少ない出番でアピールに成功。試合前の円陣などでもムードメーカーとして存在感を見せている。2勝4敗と負け越した週だったが、若鷹の活躍が明るい材料になった。

【ロッテ角中勝也外野手(33)】開幕から1カ月たち、角中らしさが存分に発揮されている。この1週間は5試合で16打数8安打の打率5割。ベースぎりぎりに立ち、内角球を特に強くセンターに返し、時にしぶとくレフト前に落とす。独自のアプローチは、チームが苦戦する中で反撃の糸口になることも多く、逆転勝利した5月2日楽天戦(楽天生命パーク)は進塁打、適時打、出塁と真骨頂を見せた。1~4番は固定されつつあり、好調の角中が5番に入ると得点力アップにつながる。

【西武平良海馬投手(21)】この1週間、若きセットアッパーは4登板4回で、わずか1安打に抑える無双ぶりを発揮している。1日の日本ハム戦では3者連続三振に打ち取るなど、12アウトのうち8奪三振。開幕から15試合連続無失点で防御率0・00と、圧倒的な数字を残し、13試合連続ホールドポイントは球団記録に並んだ。最速160キロの剛速球が売りだが、スライダー、カットボール、チェンジアップの変化球があるから、直球も生きてくる。そして、まだ高卒4年目の21歳という若さ。大学生だったら、間違いなくドラ1筆頭候補。まだまだ、その潜在能力は底が知れない。

【オリックス宗佑磨外野手(24)】4月30日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)でサヨナラ打、5月2日の同戦では決勝2ランを放ち、1週間で2度ヒーローインタビューを受けた。「普段通りのことしか(試合で)出ない。欲しがっても良い結果は生まれない」と冷静沈着にプレーすることが、好結果につながっている。2日のお立ち台では無観客のスタンドに向かって「皆さん、ぜひ自粛していただいて、それが明けた頃には…。また観戦に来られるように…。今は自粛してください!」とファンの健康も願った。

【日本ハム大田泰示外野手(30)】5試合で5安打5打点と、週間3勝を打撃でけん引した。4月27日ソフトバンク戦では2点三塁打で貴重な追加点を挙げ、28日同戦は6連敗中だった和田から先制の右前適時打。ソフトバンク相手のカード勝ち越しに貢献し、さらには新人右腕・伊藤の初勝利をアシストした。5月1日西武戦でも9回に同点適時打。開幕から不振にあえいでいたパワフルヒッターに、ようやくエンジンがかかってきた。