楽天が首位に立つも、6位の日本ハムまで4・5ゲーム差と混戦が続くパ・リーグ。交流戦まで2週間。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいた。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週の球団別MVPを紹介。パ・リーグ編です。

 ◇◇  ◇◇   

【楽天・鈴木大地内野手(31)】

バットが温まってきた。9日日本ハム戦で11度目のマルチ安打を放ち、今季最長の5試合連続安打を記録。凡退時も強烈な当たりが目立つ。移動ゲーム時も一番にグラウンドに姿を現し、ロングティーに励む。母の日の9日は中前適時打を放ち「母にもらったこの体で元気よくやれていますし、妻のおかげで体調の維持ができ、こうやって頑張れています。いつも本当にありがとう」とコメント。日刊スポーツ楽天担当ツイッターで配信コメントをツイートしたところ「すてき!」「これぞ大地」「結婚してくれ!」との反応が集まった。

【ソフトバンク リバン・モイネロ投手(25)】

森が離脱し、代役守護神を務めた。今週は4試合に登板し、1本の安打も許さずに2セーブ。許した走者は四球による2回のみで、抜群の安定感でブルペン陣の危機を救っている。4月30日のオリックス戦では、当時代役だった岩崎がセーブ失敗。チームメートの涙もカバーした。

【ロッテ ブランドン・レアード内野手(33)】

日本ハムを襲ったコロナ禍の余波で、オリックス戦3試合のみの1週間。2勝1敗で勝ち越した。レアードの適時打2本が効いた。7日は1点差の7回、比嘉のスライダーを逆らわず右中間に運んで2点適時打で突き放した。9日は初回3失点の直後、1点を返しての2死後に適時打を放ち、反撃ムードを高めた。あっけない凡退もあったが、それ以上に効果的な一打が目立った。母の日には「僕の母親とみんなの母親への感謝の気持ちを、勝利で伝えたいね」と粋なコメントも。

【西武・栗山巧外野手(37)】

ベテランが持つ「ここぞの勝負強さ」が、より一層際だった1週間だった。オリックスとソフトバンクの3連戦すべての試合で打点をマークし6打点。この間の得点圏打率6割6分7厘という驚異の数字もさることながら、渋く光ったのは9日ソフトバンク戦だった。初回1死二、三塁で回ってくると、初球をコンパクトに振って二塁へ転がし、三塁走者生還で先制した。簡単なようで難しいチーム打撃。4月下旬に下肢の張りから復帰後、尻上がりに調子を上げ、好調をキープする姿はチームに欠かせない存在となっている。

【オリックス能見篤史投手(41)】

8日ロッテ戦(ZOZOマリン)で3点リードの9回に登板。先頭のレアードを空振り三振に仕留め、NPB史上57人目となる1500奪三振を記録。節目の記録を代名詞のフォークで奪い「(記念球は)かばんの中に入っています。しっかり泥の付いたね」と笑顔を見せた。「(奪三振は)捕手との共同作業。捕手に助けられている」と歴代の捕手陣へ感謝した。

【日本ハム杉谷拳士内野手(30)】

“コロナ・ショック”に揺れた1週間。10選手が離脱と大ピンチのチームを救ったのは、球界随一の人気者だった。チーム活動再開後の初戦、7日楽天戦(札幌ドーム)で今季初安打が先制の1号ソロ。スクイズも決めて、苦手涌井を攻略した。低迷していたチームに火を付け、翌8日も難敵田中将から第1打席で安打。盗塁も決めて先制点をお膳立て。“帝京魂”で首位相手のカード勝ち越しを先導し、帝京野球部のとんねるず石橋貴明先輩も「ゴイス~ゴイス~」と、褒めてくれるはず。