「勇者タカヒサ」が“マダックス”を決めた。楽天ドラフト1位の早川隆久投手(22)が、98球3安打でプロ初完封を新人一番乗りで達成。人気ゲーム「ドラゴンクエストウォーク」とのコラボ試合で、ハーラー単独トップの5勝目を挙げた。大リーグの名投手グレッグ・マダックスの代名詞、100球未満での完封。新人での達成は10年阪神秋山以来、ドラフト制後史上15人目となった。

スタンドで約50体のスラミチが見守る中、ラスボスを倒しほえた。9回2死一塁。“ゾーマ”のごとく構えるT-岡田に“ザラキ”のような外角カットボールで空振りを奪い「よっしゃ!」と敵の息の根を止めた。「最後の力を振り絞りました」。前日に田中将から決勝3ランを放った吉田正は申告敬遠を含む2四球も、2打数無安打と“ラリホー”で眠らせた。

5球以内での決着が32人中26人。構えたミットへの“命中率”の高さは、幼少期にある。バランスボールに乗り、ブリッジの姿勢でよく遊び、自然と胸郭をはじめとした体の柔軟性を養った。しなやかな腕の振りでフォームの再現性が高まることでぶれが減り、果敢にストライクゾーンで勝負ができる。

同じく幼少期に体感ゲーム「剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣」で遊び、テレビへおもちゃの剣を振り回した。「長いキャリアが続いていく第1歩の通過点だと思う。これからもしっかり自分でも勝てるように投げていければ」。チームの連敗を2で止め“ルーラ”で1日で首位へ戻らせた。日課とする“冒険の書”への反省点記入を忘れずに、新たな戦闘へ備える。【桑原幹久】

▽楽天石井GM兼監督(早川に)「7回終わった時点で今日は負けも勝ちも早川に託した。プロの世界で1-0で試合を制するのは本当に難しいこと。いいエースになっていくためのステップを踏んでくれた」

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