「ただいま!弾」から巻き返す。日本ハム西川遥輝外野手(29)が西武8回戦(メットライフドーム)で、新型コロナウイルス感染から復帰後初のアーチをかけた。4回に左翼席へ3号ソロを放って先制も、チームは5回に攻守でミスが出て悔しい逆転負け。借金は今季ワーストの10となったが、シーズンは残り100試合ある。今季初の猛打賞もマークした西川は「まだまだ諦めずにやっていきたい」と反攻を誓った。

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西川の必死な思いが、打球をひと伸びさせたのかもしれない。4回に飛び出した先制3号ソロは、逆方向の左翼席へ届いた。「『ただいま!』っていうのが正しいでしょうか? 休んでいた分しっかりと働かなければいけないので…」。15日の1軍復帰から8日目で飛び出した復活の放物線に、少し笑みを浮かべた。

約3週間前の4月30日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。療養生活に入り、体を動かすこともできなかった当時の心境を明かした。

西川 やっぱ、みんなに申し訳ないなっていうのはあったんですけど、なんやかんや試合になっていたんで、悔しい思いもあった。

代替選手として昇格した若手の頑張りなどを見て、複雑な気持ちになるのも必然。早期復帰への思いは、日に日に増した。

西川 (チームは復帰へ)焦らずとは言ってくれたんですけど、僕は、もう休んでいるのが一番自分にとって…チームに迷惑かけている分、休んでいられないという思いがあった。

5月6日に隔離期間が終わり、自主練習を経て2軍へ合流。「チームに無理を言って、早く上げてもらって試合に出られる状態に、と思ってやっていた」と、同13、14日の2軍戦に出場して1軍本隊へ戻った。

戦列復帰後は試行錯誤しながら復調を目指した。「10種類くらいの打ち方をしていて、今の打ち方がはまっている」。この日の4打数3安打を含めて復帰後は7試合で21打数7安打、打率3割3分3厘だ。

チームは逆転負けで3カード連続負け越しで、借金10と苦境が続く。「(この状況を)意気に感じてやっている選手がどれだけいるのかっていうこと。まだまだ諦めずにやっていきたいなと思います」。西川は鼓舞するように言った。【木下大輔】

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