“交流戦男”が虎を加速させる。阪神糸井嘉男外野手(39)が、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で中堅右への当たりで二塁打をもぎ取った。広島に新型コロナ感染者が出て、21日からの3連戦が中止。試合間隔が空く中、「3番DH」で2打数1安打と感覚を研いだ。25日から始まる交流戦は通算打率3割1分6厘と大の得意。ここまで代打が中心だが、矢野監督はパ・リーグ本拠地試合で「DH糸井」を示唆した。

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糸井が元気だ。4回無死一塁。中日先発梅津の直球に振り負けなかった。外角145キロを中堅右へ運ぶと、悠々と二塁へ到達。広島で多くの新型コロナ感染者が出て21日からの3連戦が延期になった影響で、3年ぶりにウエスタン・リーグに出場して好調ぶりをアピールした。

「全力で打って、全力で走って、全力でプレーすることができたので良かったです」

試合後は短い言葉に3度の「全力」を込め、充実ぶりを漂わせた。今季は出場20試合のうち18試合が代打からで、先発した2試合はともに本塁打。9日DeNA戦(横浜)では決勝2ランを放つなど怪力と高い集中力は健在だ。平田2軍監督は「全く問題ないよ」と状態に太鼓判を押した。

そんなベテランのバットは首位快走するチームをさらに加速させそうだ。糸井は交流戦の通算打率が3割1分6厘で、600打数以上ではヤクルト青木、西武秋山(現レッズ)に次いで歴代3位。直近の19年には18試合で打率3割6分8厘と打ちまくった。パ・リーグの本拠地ではDH制があり、チームとして糸井を加えた幅広いオーダー編成が可能となる。この日の2軍戦を映像でチェックした矢野監督も「DH糸井」へ期待を口にした。

「もちろん、そういうふうに思っている。嘉男もそういうふうなところで、ファームでこうやっていってるんでね。チャンスというのはこれから出てくると思うし。その時にね、しっかりした準備を今やってくれていると思うんで、楽しみにしています」

糸井と外野の一角を争うロハスも2軍戦に出場し、こちらは2打数無安打。1軍の7試合で打率0割7分4厘と苦しみ、適応に時間がかかっている。ただ、新助っ人の低空飛行を不安材料にさせないほど、超人のコンディションは万全だ。【中野椋】

▼糸井の交流戦での通算打率3割1分6厘は、600打数以上の打者では3位の高打率。17年の阪神加入後は、173打数58安打の3割3分5厘という好成績だ。今季交流戦開幕カードは、甲子園での25日からのロッテ3連戦。阪神移籍後の甲子園での交流戦23試合では、82打数29安打で3割5分4厘。また移籍後のロッテ戦に限ると、9試合で34打数13安打で3割8分2厘と相性がいい。

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