国士大先発の石井崚太投手(3年=国士舘)がリーグ戦初勝利を飾り、2部優勝へ望みをつなげた。

「長かったです」。石井は開口一番、本音を口にした。1年秋からリーグ戦に登板するも、0勝6敗。「今年こそは勝ちたかった」と、チームの大一番の先発を任され、力を込めた。初回から制球良く伸びのある真っすぐとスライダーで打たせて取った。7回途中で足がつり、降板したが、3安打無失点で試合をつくり、後ろにつなげた。

ネガティブ思考を克服した。負けが続き、チームメートからも「引退するまで負け続けるのか」と笑顔でいじられる存在に。この日の先発では「もう6回も負けているんだから」と開き直り、マウンドへ。「不思議といつもと違う感じ。緊張しなくなりました」と、冷静にペース配分も考え投球した。

石井の奮闘を、チームメートも声で支えた。体が開く癖も、根来龍真捕手(3年=常葉大菊川)が常に声をかけ意識付けし、修正した。ベンチからは「石井に勝ちをつけよう!」と、何度も声が飛んだ。心強いチームメートに支えられ、ようやくつかんだ初勝利。石井は「3年かかりましたが、勝利はうれしいですね」と満面の笑みを見せた。

この日の勝利でチームは優勝争いにも踏みとどまった。26日の試合で勝利し、その上で専大が日大に勝利すれば専大とのプレーオフに、日大が専大と引き分ければ日大とのプレーオフに持ち込むことができる。なお、拓大はこの日の敗戦で、優勝の可能性が消えた。