ジェイエフエフシステムズ(JFFS)千葉が、公式戦初勝利を飾った。

1点を追う7回に、相手投手陣を攻略して一挙7得点。その後もコンスタントに加点し、終わってみれば12得点の大勝だった。

JFFS千葉は、「鳥貴族」などの飲食事業を展開するジェイエフエフシステムズ株式会社が創設した社会人野球チームで、16年の関西チームに続き、昨年4月に活動をスタートさせた。現在は20人の選手が、千葉市内で営業活動の業務を行うかたわら、平日の11時から15時頃まで練習に励んでいる。

「働きながら硬式野球を続けたい」、「もっと上を目指したい」と、入団の理由は選手それぞれ。高校や大学を卒業して入団した選手もいれば、複雑な事情の元に入団を決意した選手もいる。

この日、6回途中から登板し、3回1/3を無失点に抑えて勝利投手になった青木竣平投手(20)は今春、東北の名門・八戸学院大を2年生で中退。だが野球を諦めることができず「これが最後だと思って、親に泣きつきました」。人づてに話をもらったJFFS千葉への入団を懇願。今月からチームに合流し、メンバーとともに汗を流している。「やっぱり、試合に出た方が楽しい」と、初登板初勝利を笑顔で振り返った。

青木の目標は、このチームで都市対抗野球大会へ出場することだ。「今はがむしゃらに投げているだけなので、すべてにおいてレベルが低い。1年勝負だと思って頑張りたい」と、最速143キロの直球を中心にレベルアップを計る。「できるならプロへ」と、右腕はその先の大きな夢も語った。

まずは、アピールの場を作りたい。本選手権で優勝したクラブチームは、関東クラブ選手権大会への出場権を得る。阪川英次監督(62)は、「個々の能力は高いチーム。クラブ日本一を目標に頑張りたい」と話した。【勝部晃多】