巨人がソフトバンクの強烈な空中戦に屈した。今カードの負け越しが決まり、日本シリーズ、オープン戦を含む、同一カード14連敗の泥沼から抜け出せない。原監督は先発サンチェスが浴びた4被弾に「いいところにいきゃ抑えるし、甘いところにいけば、ということでしょうね」と言った。前日28日と重なるように1回に2点を先制した。そこから先の悲劇も重なった。4被弾9失点に続き、5被弾8失点の逆転負け。上空を飛び交う1発攻勢に沈められた。

苦手意識が負の連鎖を誘発する。1分けを挟む連敗中の14試合は計29得点、92失点。突きつけられる数字が重くのし掛かる。元木ヘッドコーチは「なんか重いな、空気が。なんなんだろうね。先制してちょっと追い付かれたら重くなる」と負の記憶が上書きされていく天敵に、頭を悩ませる。一方で「日本シリーズで情けない負け方をしたのは事実。周りが騒ぐのは当たり前のこと。1つでもやり返すという気持ちは持っていかないといけない」と語気を強めた。

指揮官も悔しさを懐に収め、反攻へ次戦を真っすぐに見据えた。この日は14年に他界した父貢さんの命日。グラウンド上では人一倍厳しかった恩師であり、自宅では優しさに満ちあふれた父だった。今季初の3連敗も下を向いてはいられない。「明日。明日、頑張ります」と締めた。父の故郷、九州で仕切り直す。【為田聡史】

巨人ウィーラー(1回無死一塁、7号先制2ラン)「打ったのはカットかな。先制できて良かったね」

巨人宮本投手チーフコーチ(投手陣について)「今日はどんどん攻めていこうと伝えた。もう1度気を引き締めて四球を怖がらずに攻めていきたい」