ビッグフライ、ムラカミサーン!ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、勝利を決定付けた。

3点を奪って逆転し、なお2死二塁の7回。「波に乗って打てた」と、楽天森原の外角低めのフォークをフルスイングし、2試合連続となる15号2ラン。同時進行の巨人戦で岡本和が1度はリーグ単独トップに躍り出ていたが、すぐに追いつく形。スタンドからの大きな拍手を浴びながら、ゆっくりとダイヤモンドを回った。

打球は右中間席上段へ突き刺さし、エンゼルス大谷をほうふつさせる特大の1発。同じ15本塁打で大リーグの本塁打争いを繰り広げる二刀流の活躍に「すごいの一言。次元が違う感じ」と謙遜するが、打撃の参考にする部分もある。「下半身の使い方だったり、ノーステップであれだけ飛ばせるのはしっかり体が連動している証拠。まだそこまでの体じゃないですし、徐々にやっていきたい」と刺激を受ける。普段から多くの打者の映像をチェックし、フォームの研究を欠かさない。あくなき探求心で、まだまだ高みを目指す。

11試合沈黙した時期もあったが、再び量産態勢に入った。「打てなかった時のことは忘れて。これからもっとたくさん打てるように」。打撃タイトル獲得を目標に臨む今季。キングの座は誰にも譲らない。【湯本勝大】